イルムガルト・コイン『この夜を越えて』(田丸理沙訳)の書評が東京新聞に登場。
Buchrezension: Übersetzung von dem Buch Nach Mitternacht (Irmgard Keun) erscheint in der Tokyo-Zeitung, am 16.11.2022.
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東京新聞の「海外文学の森へ」でイルムガルト・コイン (Irmgard Keun, 1905 – 1982) の作品 Nach Mitternacht の翻訳『この夜を越えて』が2022年11月16日に紹介されました(刊行日は2022年08月30日)。
紹介者は松永美穂氏。「戦前ドイツの憂屈感」というタイトルをつけて、作品の背景や作品の内容を紹介しています。『この夜を越えて』の舞台は、1938年3月16日と17日のフランクフルトです。この年、ヒトラー政権の元で、2月にはガルミッシュ・パルテンキルヘンで冬のオリンピックが、8月にはベルリンで夏のオリンピックが開かれていました。
16歳の主人公ザナの目には、この時代の日々がどのように見えたのでしょうか?
翻訳者(田丸理沙氏)による解説は必読です、と「海外文学の森へ」の<案内人>である松永美穂氏は指摘しています。
左右社によるこの本の紹介は この夜を越えて | 左右社 SAYUSHAをご覧ください。
ドイツ語版は、現在のところ、Nach Mitternacht von Irmgard Keun (Hardcover) と、Keun, Irmgard (2002) Nach Mitternacht. Berlin: List Taschenbuch. Paperback. (ISBN-13: 978-3548601519) が入手可能なはずです。
なお、本作品は、1981年に Wolf Gremm (監督・脚本)により、同名で映画化もされています。Nach Mitternacht (1981) – IMDb をご覧ください。
オリンピックが開かれた年、インフレに苦しめられつつ、あいかわらずコロナ禍から抜け出せない日本、どことなく「現代にも溢れていそうな光景」がそこにはあるかもしれません。
j.o.