村上春樹のスピーチ Über eine Welt ohne Mauern(壁の無い世界について)
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2014年11月7日、村上春樹氏のヴェルト文学賞を受賞式が行われました。そこでのスピーチは、「壁のない世界」がテーマでした。
Yahoo!ニュース に掲載された毎日新聞ニュースによれば:
村上さんは英語で約10分間講演。壁崩壊後も世界は米同時多発テロや中東問題などに揺れ続けている現状を述べ
「今も民族、宗教、不寛容、原理主義、強欲や不安という壁がある」と指摘。
「私たち作家にとって、壁は突き破らなくてはならない障害だ。壁を通り抜け、どこへでも行ける。
そう感じられるような小説を私はできるだけ多く書いていきたい」と話した。
出典:毎日新聞 11月8日(土)11時33分配信「<村上春樹さん>「壁のない世界を」独紙文学賞で受賞講演」
このスピーチの内容(おそらく日本語の予定原稿)は、
村上春樹の翻訳者として知られる Ursula Gräfe によってドイツ語に翻訳されたもの
(Über eine Welt ohne Mauern) が DIE WELT紙(11月8日)に掲載されています
(Über eine Welt ohne Mauern)。
なお、実際に行われたスピーチは、上記の毎日新聞ニュースにあるように
村上春樹氏が英語で行い、The Japan Times 11月8日付(共同発)のニュースによれば、
以下の記事の中の直接引用の部分などが加わっています。
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A world without walls can be created “in the quiet but sustained effort to keep on singing, to keep on telling stories,
stories about a better and freer world to come, without losing heart,” he said.
“We can see (a world without walls) with our own eyes, we can even touch it with our own hands if we try hard.
“I’d like to send this message to the young people in Hong Kong who are struggling against their wall right now at this moment.”
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citated from: The Japan Times (Nov 8, 2014): (Kyodo) Novelist Murakami hails Hong Kong democracy protesters in German award speech.
さらに DIE WELT 紙には、
(「愛とは、自発的にパラレルワールドを分かち合うこと」) というタイトルの村上文学に対する賛辞も寄せられています。