ハーメルンの笛吹き男、その本当の話と観光客(朝日新聞2014/7/18)
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2014年7月18日、朝日新聞の(世界発2014)のページに、「真・笛吹き男、観光客踊らず ドイツ・ハーメルン」という玉川透氏の記事が掲載されました。
その記事のリードの部分を一部引用すると:
「[…]伝説が残るドイツ・ハーメルン市の観光当局がメルヘンの殻を打ち破り、730年前の「史実」に焦点を当てて男を語り部として売り出したが、観光客の受けはいま一つ。童話のように踊ってはくれなかった。」
同記事によると、ハーメルン市(Stadt Hameln – Die Rattenfängerstadt im Weserbergland) の観光局は5年前から「真・笛吹き男伝説ツアー」
を始めたそうで、地元の俳優がネズミ捕りをひとり語りで演じるもの(1回75分、170ユーロ)。しかし、この「リアル版」それほど人気がないようで、従来からの「メルヘン版」の方が人気ああるとか。
(世界発2014)真・笛吹き男、観光客踊らず ドイツ・ハーメルン| 朝日新聞 で一部読むことができます。
世界的に有名なこの伝説、不思議なのは、「笛吹き男」(ドイツ語では、Rattenfänger「ネズミ捕り男」)が1284年6月26日に、130人の子供を連れ去ったという記録が残されているという点です。
(参照:Der Rattenfänger von Hameln – rätselhaft und legendär – Rattenfängersage | Stadt Hameln)
あまりにも具体的なので、さまざまな研究者が分析をしています。日本では、1974年に平凡社から出版された阿部謹也氏の本が有名です。
現在では、筑摩書房 から、『ハーメルンの笛吹き男 ─伝説とその世界』
として入手できます。
なお、ハーメルン市では、ガイド・ツアーの他にも、
ネズミ捕り男のミュージカル “RATS” や、
「ネズミ捕り男の野外劇」(RATTENFÄNGER-FREILICHTSPIEL) も行われているそうです。
「えっ、RATS って何かに似てない?」という声が聞こえてきますが、ドイツ旅行を企画している人は、ハーメルンは立ち寄ってみる価値のある町です。
ハーメルン市は、この伝説でユネスコ世界無形文化遺産への登録をめざしているそうです。