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ドイツにおける「2015年の言葉」(Wort des Jahres 2015)は Flüchtlinge(避難民)

ドイツにおける「2015年の言葉」(Wort des Jahres 2015)は Flüchtlinge(避難民)

 12月11日にドイツ語協会(Gesellschaft für deutsche Sprache) は、「2015年の言葉」
(GfdS wählt »Flüchtlinge« zum Wort des Jahres 2015 | GfdS) を発表しました。
「その年の言葉」は、今回で40回目をむかえました。「その年の言葉」は頻度から選ばれたものではなく、選考委員会の人たちが「その年を特徴づける」言葉の中から選んだものだそうです。
2015年の言葉(第1位)は、Flüchtlinge(避難民)。
もちろん、ヨーロッパに押し寄せた「避難民」の人々は大きな社会問題となっていますが、言語的に見ると、動詞 flüchten(逃げる)という動詞と、
接尾辞 -ling からできています。この接尾辞は、実は軽蔑的なニュアンスを持ったり、「…される人」という受動的な意味を持ったりするところから問題視する人もいて、
過去分詞の複数名詞化をした Geflüchtete とすべきでは、という議論も起きました。
第 2位は、Je suis Charlie(私はシャルリ)、日本でも大きく報道された風刺新聞「シャルリ・エブド」がテロに襲撃された事件に対して、
報道の自由を求めて立ち上がった時に世界的に使われたことばでした。
第 3位は、GrexitGr(iechenland)exit を組み合わせて作られた語)、
今年前半に、ギリシア危機からギリシアを EU から出ていってもらうべきだという議論がなされた時に使われた言葉。この exit を使って造語するのは、
かなり生産性が高いことから、一年を通じていろいろな他の語も作られたようです。
第 4位は、Selektorenliste(セレクタ・リスト)、アメリカの国家安全保障局(NSA)
がドイツの政府機関などを対象に広範囲にスパイ活動をしていたという話は大きな問題となりましたが、
連邦情報局も絡んでいたとか。 情報を検索する際に利用していたのが特定の検索語を書き出したリスト。
これは極秘ということで公開されていませんが、これが「セレクタ・リスト」と呼ばれたようです。
第 5位は、Mogel-Motor(ごまかしエンジン)。これは、フォルクスワーゲン社の排気ガス偽装ソフトウエアを組み込んだディーゼル車のエンジンのこと。
第 6位は、durchwinken(通ってよいと合図する)。
避難民の人たちが EU のいくつかの国を越える時に、登録もなにもせずにドイツへ素通りになった様を表すのに使われた動詞です。独独辞典には載っている動詞です。
第 7位は、Selfie-Stab(自撮り棒)。日本ではもうすっかり定着しています。
第 8位は、Schummel-WM(ごまかし世界選手権)。2006年、ドイツで開催されたサッカー世界選手権が、その開催決定において買収が行われていたとか。
第 9位は、Flexitarier(フレックス菜食主義者)。flexibelVegetarier を合成して作られた語。
絶対的な菜食主義者ではなくて、お肉はできるだけ食べないようにはしているけれど、フレキシブルに時々は食べちゃう人。
第10位は、Wir schaffen das!(私達はやり遂げます!)これは、難民問題に対してのメルケル首相の言葉。
増加し続ける避難民を受け入れて何とかやっていけるという決意表明なのでしょうが、対外的には亡命者の受け入れを確約しているとも取られてしまい、国内でかなりの批判を受ける結果になっています。
  一方日本では、日本漢字能力検定協会が発表する 今年の漢字 2015年 が、12月15日に発表されました。
2015年の「今年の漢字」は、「安」(アン/やすい・やすんじる・いずくんぞ)。
およそ13万票の投票から最多のものとして選ばれました。
あのような結果となった 保関連法案の審議、
人々を不に陥れたテロや異常気象の数々、建築偽装問題やメーカーの不正が発覚し、暮らしの 全が揺らいだこと、といった理由があがっています。
2位は「爆」(ばく)、3位は「戦」でした。
詳細は、release_kanji2015.pdf をご覧ください。

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