「今こそミヒャエル・エンデ」朝日新聞 6/1 文化・文芸面に登場
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6月1日の朝日新聞(文化・文芸面)に「いまこそミヒャエル・エンデ」という記事が登場(筆者:守真弓)。
「あかがね色の本 物語にも登場」、「めくって入り込む魔法の装置」という題名付きです。
(今こそミヒャエル・エンデ)あかがね色の本、物語にも登場| 朝日新聞デジタル
ではさわりの部分だけ読めます。
この記事の中では、テレビドラマ「戦う!書店ガール」の主人公が、ミヒャエル・エンデの『はてしない物語』を「人生を変えた本」として扱い、
何度も映像に登場するそうです。それもそのはず。ミヒャエル・エンデ(Michael Ende: 1929-1995) は、本の装丁に徹底的にこだわった人だった、
ということが紹介されています。岩波書店から発売された日本語版の『はてしない物語』も、なんと原書通りの表紙を実現しているのだそうで、岩波書店はこのために、
布を特注し、価格は税込で3千円を超えているとか。この記事の中では、岩波書店マーケティング部の堀内まゆみ氏が『はてしない物語』について
「コストはかかっても、本の存在価値が高まった。紙の本ならではの、これからの本のあり方にヒントを与えてくれるような本」とコメントしています。
さて、この記事で「あかがね色の本 物語にも登場」というタイトルは何を指しているのかというと、「物語」は、『はてしない物語』という作品、
その本の中に出てくる『はてしない物語』(Die unendliche Geschichte) という本の表紙が「あかがね色」(kupferfarben)
だったという話です。主人公のバスティアンが見つけた本の色が「あかがね色」(kupferfarben) で、
実際の本の色も「あかがね色」(kupferfarben) なのですね。原著の10ページにはこんな風に書いてあります。
Er hob das Buch hoch und betrachtete es von allen Seiten. Der Einband war aus kupferfarbener Seide und schimmerte, wenn er es hin und her drehte.
Quelle: Michael Ende (1979) Die unendliche Geschichte, S. 10.
そんなこと言ったって、「あかがね色の本の表紙」のイメージがわかない、という人はネットで調べてみましょう、といいたいところですが、実はこの本の紙表紙を剥がした写真が見つかりません。
そこで、ちょっと撮って見ましたので、貼り付けておきます。写真なので、これでも色を十分再現しているとは言いがたいですね。
本当の色を見たい方は、実物の本を手にとって見て下さい。この手にとって感じる部分が、デジタル本に無い質感です。
Kupfer は、「銅」なので、「銅の色」と言ってもいいのですが、本の装丁に使うと金属の銅とは違う独特の色のイメージになります。