新刊情報:田中素香著『ユーロ危機とギリシャ反乱』(岩波新書)
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ヨーロッパは、ご存知のように巨大なユーロ圏として経済的にも存在感を示してきました。
しかし、ギリシャ危機、ウクライナ・ロシア問題、難民の大量流入、イギリスの EU 残留国民投票など、軒並み大きな問題を抱えています。
竹森俊平著(2012)『ユーロ破綻:そしてドイツだけが残った』(日経プレミアシリーズ 178)
で見られるように、<いずれ欧州は崩壊する>という厳しい分析もあります。それに対して、
田中素香著(2016)『ユーロ危機とギリシャ反乱』(岩波新書 1586) では、
現在のヨーロッパの経済状況から見て、単純にユーロを捨てるという選択肢はすでにとれないということ、新たな安定したユーロ圏を創出するしか解決策はないという主張をしています。
だったら、その新たなユーロ圏とはどのようなものであるべきか、そんな議論を見てみたい人に田中素香氏の本はおすすめです。