「グリホサート」(Glyphosat)でドイツの農相と環境相対立(2016年5月)
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新緑が眩しい季節、でも、ふと庭に目を向けると雑草も元気。うーん、ここは除草剤 (Herbizit) を使っちゃおうか、と迷ったことはありませんか?
ある種の有名な除草剤に使われている「グリホサート」(Glyphosat) という化学物質に関して、ドイツの農業相クリスティアン・シュミット氏 (Christian Schmidt, CSU)
と、環境相バーバラ・ヘンドリックス氏(Barbara Hendricks, SPD) の意見が対立しています。農相の方は、「グリホサート」の使用許可を引き続き認める方針ですが、
環境相は、規制すべきという立場です。ドイツでは、連邦リスク評価研究所(Bundesinstitut für Riskobewertung, BfR) が独自の調査を行なっており、
去る 2015年3月に世界保健機構(WHO) が「おそらく癌を誘発する」(wahrscheinlich krebserregend) と発表したことに対して、反論しています。
Löst Glyphosat Krebs aus? | Mitteilung 007/2015 des BfR vom 23. März 2015
今回、紹介するきっかけになったのは、専門家の意見をも二分する現状を伝えた、
Bundesregierung streitet über Glyphosat | ZDF heute journal と、
Wenig Klarheit beim Thema Glyphosat | ZDF heute の放送です(2016年5月17日放送)。
実際に、ドイツでは、調査の結果、家畜の飼料、パン、ミルク、ビールにも少量ながら「グリホサート」が含まれていることが知られています。
Glyphosat: Heimtückisches Gift – Frontal 21 – ZDFmediathek | ZDF Mediathek をみると、本当に大丈夫なのだろうかと心配になります。「安全だよ!」と言われていたものでも、
後で「安全ではありませんでした、ごめんなさい!」と言われるのが、現代のリスク社会ですから。さて、日本は大丈夫なのでしょうか?