夏のインターウニ: 岐路に立つ「共通の価値」 ― „Gemeinsame Werte“ in Gefahr (8/4日から8日まで)
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「夏のインターウニは1978年以来毎年夏休みに開かれている合宿ゼミナールです。
ドイツの文化・社会に関心を持つ日本人とドイツ語圏の学生・教員たちが、全国のさまざまな大学から集まって(interuniversitär)、
一つのテーマについて日独の文化を比較・対照しながら(interkulturell)、
専門の枠を超えて(interdisziplinär)、ドイツ語で話し合うゼミナールです。
また、参加者が、国籍や文化の違いはもちろん、
教師・学生・社会人といった立場の違いや世代差・性差を超えて互いに学びあう
(Inter Lernen) という姿勢を大切にしています。」
(パンフレット(PDF) | インターウニより)
2017年の夏も、山中湖で8月4日から8日に開かれる予定で、参加申し込みは7月20日(木)までです。
今回のテーマは、「岐路に立つ『共通の価値』 ―― „Gemeinsame Werte“ in Gefahr」です。
以下に、テーマ説明の最初の3パラグラフを引用しておきますが、
第39回 夏のインターウニ・ゼミナール でぜひ続きもお読み下さい。
ドイツのメルケル首相は来日するたびに、日本とは gemeinsame Werte
を共有していると強調してくれます。おそらく中国に対しては、この言葉をメル
ケル首相は使いません。これを「共通の価値観」と訳してもその重みはなかなか
伝わりませんが、日本とドイツの間では、あるいはG7の国々の間では、いったい
どんな基本的「価値」が共有されているのでしょう? そもそも gemeinsame Werte とは何をさすのでしょうか?
今なお国連にとって「敵国」と位置づけられている日本とドイツは、第二次世界大
戦敗戦後、民主主義国家として再出発することによって、西側世界の一員となり、
世界から一定の信頼を勝ち得てきました。日本でそれを可能にしたのは、「戦後
民主主義」として培われてきた基本的人権や法治国家といった「価値」でした。こ
れを教えてくれたのはアメリカ合州国でしたが、そのアメリカの大統領が、今や
自国第一主義や移民排斥を掲げて大迷走を始めていることは周知のとおりです。
そして日本も、「押しつけ憲法」を改正したいと考える首相のもとに、「内心の
自由」や「報道の自由」など、さまざまな基本的な価値が急速に撤回され始めてい
ます。
人類が長い歴史の中で戦い取ってきたはずの自由や民主主義、基本的人権などの
「価値」が、今や日本のみならず、多くの国で危機にさらされています。ヨーロッ
パ各地で、そしてもちろんドイツでも、難民問題をきっかけに排外主義的傾向が
強まっており、Brexit 以降の EU の今後の展開は楽観を許しません。なぜ今、世界
のあちこちで大きな社会変化が生じ始めているのでしょうか? 今までの「共通の
価値」が少しずつ変質し、代わりに「道徳」や「主導文化(Leitkultur)」が唱え
られるとき、私たちの社会はどのようになっていくのでしょうか?
出典: 第39回 夏のインターウニ・ゼミナール| パンフレット(PDF) より一部抜粋。
参加申し込みは、http://www.interuni.jp/anmeldung/ からどうぞ。
参加費は、37,000円(4泊5日宿泊・食事代を含む、交通費は含まず)です。