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「ドイツ、偽ニュース規制 10月に導入」(東京新聞 8/22)

「ドイツ、偽ニュース規制 10月に導入」(東京新聞 8/22)

2017年8月22日の東京新聞、こちら特報部のコーナーに、「ドイツ、偽ニュース規制 10月に導入」という記事が掲載されました。
見出しの文字だけを追うと、「デマ拡散 断てるか」、「IT業者に罰金 最大64億円」、「速やかな消去を義務付け」、
「市民の「声」発信に逆行?」、「公権力介入で言論萎縮も」、「専門家らが事実チェックを」となっていて、以下のようなリードで始まります。

いわゆる「デマ」であるフェイクニュース(偽ニュース)が世界を席巻している。この対策としてドイツでは、10月にソーシャルメディアに対する規制が施行される。
ただ、ソーシャルメディアが「声なき声」の解放という情報の民主化に貢献してきたのは事実。
差別的言辞やデマは忌まわしいが、規制はともすれば、ネットの持つ民主主義的な特性を損ないかねない。どう考えるべきなのか。
(安藤恭子、加藤裕治)東京新聞 2017年8月22日、「こちら特報部」のリードより引用

ここで紹介されているのは、ドイツ語で
Gesetz zur Verbesserung der Rechtsdurchsetzung in sozialen Netzwerken (Netzwerkdurchsetzungsgesetz – NetzDG)
と呼ばれるもので、「ソーシャルメディアにおける法執行を改善するための法律」(ネット執行法)のことで、去る6月30日にドイツ連邦議会で可決されたものです。
この東京新聞の記事の中では、一般論として賛否を議論していてドイツでの議論に関しては触れられていませんが、昨年来、賛否が盛んに議論され、
Gesetz gegen Hass(嫌悪中傷に対する法律)、
Gesetz gegen Hass und Verleumdung(誹謗中傷に対する法律)、
Gesetz gegen “Fake News und Hate Speech”(フェイクニュースとヘイトスピーチに対する法律)、
Facebook-Gesetz(フェイスブック法)のように俗名を付けれれていました。
この法律の有効性に関する議論だけでなく、表現の自由の侵害、憲法違反、ヨーロッパ法違反などかなりの範囲の反論が寄せられています。
Hass im Netz Bundestag beschließt “Facebook-Gesetz” | tagesschau.de でも6月30日にドイツ連邦議会で可決された様子を伝え、この法律に対する反対意見を多く伝えています。
この法案を読みたい方は、連邦司法消費者保護省(Bundesministerium der Justiz und für Verbraucherschutz: BMJV)
BMJV | Aktuelle Gesetzgebungsverfahren | Gesetz zur Verbesserung der Rechtsdurchsetzung in sozialen Netzwerken (Netzwerkdurchsetzungsgesetz – NetzDG) をご参照ください。
Regierungsentwurf をクリックすると RegE_NetzDG.pdf という31頁の PDF ファイルをウンロードすることができます。

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