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„Alternative Fakten“(代替的事実)が2017年の粗悪語に選ばれる(1/16)

„Alternative Fakten“(代替的事実)が2017年の粗悪語に選ばれる(1/16)

2017年の粗悪語(Unwort)が、2018年1月16日に発表されました。
今回選ばれたのは、Alternative Fakten(代替的事実) です。
これは、アメリカ発の表現で、英語の alternative facts から来ています。
思い起こせば、2017年1月22日に放送された「ミート・ザ・プレス」(Meet the Press)というテレビのトーク番組で、
アメリカ合衆国大統領顧問ケリーアン・コンウェイ(Kellyanne Conway)が使ったものです(こちらで、実際に聞けます。→
Conway: Trump White House offered ‘alternative facts’ on crowd size | CNNPolitics)。この時の報道で、日本では、「もう1つの事実」という訳語も登場しました。
もう一つの事実とは | Weblio辞書 にも解説があります。
さて、今回の粗悪語受賞理由ですが、
Pressemitteilung: Wahl des 27. “Unwort des Jahres”
の最初に説明があるようにこの言葉は「間違った主張を公の議論の正当な手段として通用するようにする試みがあり、そのための偽装的で誤解を招く表現」だとのこと。
つまり、ウソであっても「代替的な事実」、「もう1つの事実」、「対案的な事実」とか言われてしまうと、<おお、事実だったのか>と人に思わせてしまうという効果があり、罪深いものです。
また、アメリカならずともドイツでも日本でも「ウソ」と言わずに「事実」と言い切ってしまうところが怖い表現で、SNSでも一定の広がりをみせてしまったようです。
例年のことですが、粗悪語は一般に公募されて収集されますが、選定委員会は応募総数とは関係なく、議論をしてその年の粗悪語を決定します。
今回は、全体で 1316件の投票があったそうで、そこで684種類の提案があり、この Alternative Fakten(代替的事実) には65件の投票があったそうです。
選定委員に批判された粗悪語としては、Shuttle-Service(シャトル・サービス)とGenderwahn(ジェンダー狂い)がありました。
「シャトル・サービス」と呼ばれたのは、難民の乗ったボートを救済に向かう非政府組織を指してシュテファン・マイヤー(Stephan Mayer/CDU/CSU)氏が使った言葉とされ、
Genderwahn(ジェンダー狂い)は、「性的に公正な」方向へ向かう政策に反対する保守系、あるいは極右系の人々が使った言葉だとか。
いずれも、使いたくない言葉です。

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