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『アンゼルム “傷ついた世界” の芸術家』上演中

『アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家』6月21日から上演中
Ab 21. Juni ist “Anselm – Das Rauschen der Zeit” im Kino in Japan.

ヴィム・ヴェンダース監督がその製作に2年間かけたといわれるアンゼルム・キーファーの生涯と、その現在を追ったドキュメンタリー映画が、6月21日から公開されています。公式ホームページは、映画『アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家』 です。

アンゼルム・キーファー(Anselm Kiefer, 1945 – )は、戦後のドイツを代表する芸術家の一人として広く知れわたった存在です。その膨大な作品群を、ヴィム・ヴェンダース監督 (Wim Wenders) は、3D と 6K を駆使して撮影したもので、その奥行き感は見る者をその立体空間の中に放り込むかのような迫力です。

公式ホームページ映画『アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家』 には、アンゼルム・キーファーに関する次のような紹介がなされています。以下は引用です。

アンゼルム・キーファーは、ナチスや戦争、神話などのテーマを、絵画、彫刻、建築など多彩な表現で壮大な世界を創造する、戦後ドイツを代表する芸術家。1991年、高松宮殿下記念世界文化賞・絵画部門を受賞。ヴェンダース監督と同じ、1945年生まれであり、初期の作品の中には、戦後ナチスの暗い歴史に目を背けようとする世論に反し、ナチス式の敬礼を揶揄する作品を作るなど“タブー”に挑戦する作家として美術界の反発を生みながらも注目を浴びる存在となった。1993年からは、フランスに拠点を移し、わらや生地を用いて、歴史、哲学、詩、聖書の世界を創作している。彼の作品に一貫しているのは戦後ドイツ、そして死に向き合ってきたことであり、“傷ついたもの”への鎮魂を捧げ続けている。
出典:映画『アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家』

ドイツ語のホームページとしては、Anselm – Das Rauschen der Zeit (2023) – UNCUT をリンクしておきます。

冒頭に流れるメッセージは、

Wir mögen die Namenlosen
und Vergessenen sein,
aber wir vergessen nichts.

です。「刺さり」ますね。

『アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家』の公開は、アンゼルム – 劇場情報 | THEATERS からどうぞ。

公式ホームページを見ていて、おやおやと思ったのは、幼少期のアンゼルムをヴィム・ヴェンダースの孫甥(うまごおい)アントン・ヴェンダース(Anton Wenders)が演じており、さらに本人の青年期を息子のダニエル・キーファー(Daniel Kiefer)が演じているそうです。むむむ。

j.o.

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