中公新書『物語 東ドイツの歴史:分断国家の挑戦と挫折』2020年10月21日発売
Kawai Nobuharus Higashidoitsu no Rekishi (Geschichte der Deutschen Demokratischen Republik) ist in der Reihe Chuko-Shinso am 21. Oktober 2020 erschienen.
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河合信晴『物語 東ドイツの歴史:分断国家の挑戦と挫折』が、さる10月21日に中公新書で発売になりました(中公新書 2615、ISBN:978-4-12-102615-6)。
中央公論新社のサイトは、物語 東ドイツの歴史|新書|中央公論新社 です。中央公論新社のサイトで解説してあるように、「本書は、ベルリンの壁崩壊後に明らかになった史料から、楽観的で無責任な指導部、豊かさを求めて声を上げる民衆など、壁の向こうの実験国家の実態と全貌を描く。」ところに特徴があります。
筆者の河合信晴氏は、ドイツ連邦共和国ロストック大学歴史学研究所で博士論文を執筆した専門家で、現在は広島大学大学院教授です。本書の「あとがき」の 279頁には、以下の解説があります。
本書の執筆は、2020年のコロナウイルス問題でだれもが疲弊するなかでなされました。その際、この引用が何度も私の脳裏をちらつき、その都度苛立ちを覚えました。都合の悪いことを隠そうとしたり、歪(ゆが)んだ情報を提供したり、根拠もなく楽観的な言葉を言い続ければどうなるか、それは本書を読んでいただければ理解していただけるかと思います。
ここで「引用」されている文章は、同書269頁をお読みください。遠いヨーロッパの片隅の歴史ではなく、忘れ去ることのできない人間の歴史の一部がこの本の中にあります。
なお、本書には、巻末に関連年表、略語一覧、参考文献(欧文、日本語)が付属し、6つのコラム記事(オリンピックと東ドイツ、シュタージ、映画の中の東ドイツ、東ドイツ時代のメルケル、トラバントと「オスト・プロダクト」の今、請願と日常生活の政治)があります。
j.o.