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1月9日、「強力な家族法」の草案が発表される(ドイツ)

1月9日、「強力な家族法」の草案が発表される(ドイツ)

ドイツでは、多くの場合法律の名称には、かなり具体的で長いものが付けられます。
長い名称では呼びにくいので、呼びやすい短い名前も付けられ、さらには略号的な一番短い名前も付けられます。
2019年1月9日に発表された法律の草案は、「強力な家族法」(Starke-Familien-Gesetz)と呼ばれて、
連邦家族省(正式名称は「連邦<家族・年長者・女性・若者>省」,
Bundesministerium für Familie, Senioren, Frauen und Jugend)の連邦大臣、
フランチスカ・ジファイ博士(Dr. Franziska Giffey (SPD))
によって発表されました。
この法律草案の正式名称は、
Gesetzesentwurf zur zielgenauen Stärkung von Familien und ihren Kindern durch die Neugestaltung des Kinderzuschlags und die Verbesserung der Leistungen für Bildung und Teilhabe
(あえて直訳するなら「児童手当の再編成と 教育と(社会)参加のための業績向上による家族と子供たちの目標を持った正確な強化のための法律草案」)で、
略語表記は、Starke-Familien-Gesetz の頭文字をとって StaFamG となるようです。
連邦家族省の正式発表のページは、
BMFSFJ – Starke-Familien-Gesetz です。
このページにリンクがあり、そこから草案全文のPDFファイル(317,8kB)を参照できます。
法律の目的は、上記の連邦家族省のページにあるように「収入の少ない家族を強化し、子供たちのため社会的参加へのフェアなチャンスを作り出す」
(„Familien mit kleinen Einkommen stärken und faire Chancen auf gesellschaftliche Teilhabe für Kinder schaffen.“)
ことにあるそうですが、ドイツ児童保護連盟(Deutscher Kinderschutzbund)
の代表であるハインツ・ヒルガース氏 ( Heinz Hilgers) は、
あまりにも官僚主義的(zu bürokratisch)で、「もうほとんど本物の風刺だ」(fast schon Realsatire)と批判しています。
(参照:
Starke-Familien-Gesetz: Was sich für Geringverdiener und Familien ändern wird | SPIEGEL ONLINE
)
「強力な家族法」(Starke-Familien-Gesetz)と呼ばれると、よっぽど「強力」なのかな、と思いますが、どうやら現実的には名前ほど強力な法律ではないようです。
法律の「愛称」に惑わされないようにしなければならないのは、世界中どこでも同じようです。

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