ドイツにおける「2014年の言葉」(Wort des Jahres 2014)は Lichtgrenze(光の境界線)
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2014年12月12日にドイツ語協会(Gesellschaft für deutsche Sprache) は、「2014年の言葉」
(Das Wort des Jahres 2014) を発表しました。
例年のごとく、頻度から選ばれたものではなく、選考委員会の人たちが重要性や人気などを考慮して決めたものです。
今年の言葉(第1位)は、Lichtgrenze(光の境界線/光の国境)。
これは、ベルリンの壁崩壊25周年の記念式典の時に、15キロに渡るかつてのベルリンの壁のところに8000個の白く輝く風船をならべて作り出されたもの。
第2位は、schwarze Null(黒いゼロ;借り入れ無し)、2015年の予算では借金財政は無くなり、借り入れ無しで予算が組まれました。
第3位は、Götzseidank(Götz に感謝を!;ありがたや< Gott sei Dank!)、
ご存知、ワールドカップの時のMario Götz の働きを見て作られた駄洒落的言葉です。
第4位は、Russlandversteher(ロシアの理解者)、ウクライナ問題をめぐって反ロシア的な立場と、ロシアの理解者としての立場の人が議論した年でした。
第5位は、bahnsinnig(鉄道狂い?)というと、そう、wahnsinnig(「気が狂った;常軌を逸した」という形容詞) を思い出します。
今年は、再三にわたりドイツ鉄道(Deutsche Bahn) のストライキがあったため、こんな言葉が作られたようです。
第6位は、Willkommenskultur(歓迎文化)、これは政治的亡命を求めてきた人たちを歓迎して受け入れようとする「文化的基盤」を指して使われるようです。
もちろん、背景には、昨今の亡命申請者がヨーロッパで激増しているという状況があります。
第7位は、Social Freezing(社会的凍結?)というのは、もちろん英語。2014年10月以降に Facebook や Apple が自分たちの会社の女性従業員に、
未受精卵細胞の凍結保存を無料で行うと発表したようなのですが、それは将来子どもが欲しくなった時に、その卵細胞を使えるようにという配慮だとか。だから「社会的凍結」
という訳の分からない用語が作られたようです。
第8位は、Terror-Tourismus(テロ・ツーリズム)、シリアなどに出かけていき内戦に参加してしまう若者たちを指して作られたようです。
第9位は、Freistoßspray(フリーキック・スプレー)はワールドカップ・サッカーで導入されたスプレー。一定時間で消えてしまうので、なかなか便利。
第10位は、Generation Kopf unten(下を向いている世代)、何のことかと思ったら、ずっと下を向いてスマホをいじっている若者の世代を指すのだとか。
観点は違いますが、ユーキャン日本の新語・流行語大賞 における2014年のトップテン年間大賞は、「ダメよ~ダメダメ」、「集団的自衛権」
でした。日本漢字能力検定協会が発表する 今年の漢字 2014年 は、
「税」だとか。こちらは、投票数で決まりました。今年の漢字は、「嘘」と予想していたのですが、
外れてしまいました(「嘘」は3位でした)。