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2014年のドイツの粗悪語は、„Lügenpresse“(嘘つき報道機関)に。(1/13)

2014年のドイツの粗悪語は、„Lügenpresse“(嘘つき報道機関)に。(1/13)

2014年の粗悪語(Unwort)が、2015年1月13日にダルムシュタット(Darmstadt)において、
言語学者のニーナ・ヤーニヒ (Nina Janich) を座長とした記者会見で発表されました。
選ばれたのは、Lügenpresse (嘘つき報道機関)です。おや、第一次世界大戦の時にも、こんな言葉が使われていたような気がする、
そんなことを思った方、鋭いです。その通りなのですが、なぜこのような表現が復活しているかというと、「ペギーダ」(=「ヨーロッパのイスラム化に反対する愛国的欧州人」)
の人たちがこの言葉を使って報道機関を十把一絡げに非難しているとのこと。
選考理由としてニーナ・ヤーニヒ氏 (Nina Janich) は次のように述べています:

Mit dem Ausdruck Lügenpresse werden Medien pauschal diffamiert.
Eine solche pauschale Verurteilung verhindert fundierte Medienkritik und leistet somit einen Beitrag zur Gefährdung der für die Demokratie so wichtigen Pressefreiheit.

(「嘘つき報道機関」という表現で、メディアが大括りで誹謗される。このような一括した厳しい非難は、十分根拠のあるメディア批判を妨げ、それによって民主主義にとってとても重要な報道の自由を脅かすことに寄与してしまう。)と述べています。
このような言葉で一括して何かを非難するというのは、とても間違ったことですが、気がつくと日本でも同様のことが行われているような気がします。
なお、この他にも注目を集めた粗悪語としては、erweiterte Verhörmethoden(拡大された尋問方法)、Russlandversteher(ロシアの理解者) があり、
前者は、現実を隠すような「婉曲語法」であり、後者は、誹謗する文脈で用いられるところから、不快な表現になっているとのことです。
詳細は、http://www.unwortdesjahres.net/
にPDFでアップロードされています。
(今回は、このプレス発表の原稿を見る前に、Darmstadt: Lügenpresse ist das Unwort des Jahres 2014 |ZEIT ONLINE を参考にして書きました。)

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