現代史研究所による批判的注釈付き『我が闘争』2016年1月8日発売される
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2015年12月31日をもって、ヒトラーの『我が闘争』(Mein Kampf)の著作権(バイエルン州所有)が切れることになり、その後が注目されていましたが、
ミュンヘンにある現代史研究所(Institut für Zeitgeschichte) から批判的な注釈付きの版が 2016年1月8日に出版されました。
価格は、59ユーロ、2巻本で総ページ数は 1948頁に及びます。出版自体は、すでに早くからアナウンスされ、その賛否も議論されてきました。
Hitler, Mein Kampf. Eine kritische Edition | ifZ に、
今回の出版にあたっての現代史研究所の説明があります。今回出版されたのは、4000部。
しかし、ドイツの新聞 DIE WELT の記事
Mein Kampf: Neuausgabe im Buchhandel schon vergriffen | DIE WELT
(2016年1月8日15時15分発信)によると、すでに書店では品切れ状態だそうです。同記事によると、1万5千部の注文が来ているそうで、2刷は 1月18日に出る予定とか。
原著が2巻本でおよそ780頁だったことを考えると、どのような批判的注釈がついているのか、注目が集まるのは当然のことです。
なかなか手に入らないかもしれません。
日本でも
ヒトラー「我が闘争」、戦後初めて独で再出版 | 読売新聞 や、
ヒトラーの「わが闘争」8日に注釈付きで再出版 昨年末で著作権が失効 | 産経ニュース
などで伝えられています。なお、産経ニュースの記事の中で、「研究所の責任者、クリス・ハルトマン氏は『爆発物処理のようなものだ。ナチス時代の遺物を無害化することになる』と語る。」
と述べられていますが、上記の歴史研究所のページには、Christian Hartmann氏の見解が以下のようにまとめられています。
Unter der Leitung von Dr. Christian Hartmann hat ein Historikerteam “Mein Kampf” in mehrjähriger Arbeit umfassend aufbereitet: Im Zentrum der kritischen Kommentierung stehen die Dekonstruktion und die Kontextualisierung von Hitlers Schrift: Wie entstanden seine Thesen? Welche Absichten verfolgte er damit? Welchen gesellschaftlichen Rückhalt besaßen Hitlers Behauptungen unter seinen Zeitgenossen? Welche Folgen hatten seine Ankündigungen nach 1933? Und vor allem: Was lässt sich mit dem Stand unseres heutigen Wissens Hitlers unzähligen Behauptungen, Lügen und Absichtserklärungen entgegensetzen?
Aus: Hitler, Mein Kampf. Eine kritische Edition | ifZ