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『アポロン独和辞典』第4版が2022年3月1日に出版

『アポロン独和辞典』(同学社)第4版が2022年3月1日に出版されました。
Die 4. Auflage von APOLLON: Deutsch-Japanisches Wörterbuch ist am 01.03.2022 erschienen.

『アポロン独和辞典』第4版(同学社)が2022年3月1日に出版されました。第3版が2010年でしたので、12年ぶりということになります。

最初にお断りしておきますが、筆者は特定の辞書の販売促進に携わっているわけではありません。ただ、独和辞典を改定するという仕事は出版社にとっても執筆者にとっても並大抵のことではありません。マイナーな外国語の辞書の場合は、一冊の辞書を出すだけでそれ以降、改訂されないということもしばしば起こります。独和辞典の改定が行われることは、とてもありがたいことです。他の独和辞典も改定されることを願っています。

以下では、『アポロン独和辞典』第4版の辞書の箱の帯(おび)に書かれていることを部分的に紹介し、少しだけコメントをつけてみます。詳細は、『アポロン独和辞典』内容見本 (PDF, 3.18MB) をご覧ください。

● コンパクトサイズに5万語を凝縮
前の第3版(独和の部:1674頁)と同じページ数を目標に第4版も作られた(独和の部:1684頁)そうです。2010年の第3版が本体価格4,200円で、2022年の第4版も本体価格4,200円。総ページ数は、1818ページから1844ページになっています。11年経っても(消費税はアップしましたが)値段が同じというのはすごいことです。よく見ると、紙の質も違い、前よりも白くみえ、一行の幅が0.5mmほど増えた分、前よりも見やすくなった気がします。2つの版を重ねてみると、ほんのちょっと大きいことが分かりますが、気にならない程度です。

● 重要単語を徹底解説
宣伝用に配布されている冊子には、helfen の例があったので第3版と第4版を比べてみました。例文が2つ入れ替わっているのと、zu不定詞なしの用法とzu不定詞ありの用法の違いが「メモ」として載っています。かなりつっこんだ説明でびっくり。第3版でもあった類義語 (beistehen, unterstützen) との違いは、実用的価値が高く分かりやすい説明だと思います。

● 「旬」のドイツ語を大幅増補
例えば Coronakrise が「コロナ危機、コロナ禍」として載っています。Migrationshintergrund が「移民のルーツ(背景)」として採用されていて、☞「ドイツ・ミニ情報25」として囲いコラムになって同じページに載っています。ミニ情報は合計45あるそうで、アポロンとアルテミスの対話形式で書かれているので、長文の説明を読むのが苦手な人(?)にもとっつきやすいものになっています。新語を入れるのはきりがないのですが、例えば近年話題になることが多くなった「ジェンダー」関連の動詞 gendern [ˈdʒɛndɐn] も欲しかったかな、と自分勝手に思いました。

● どの見出し語もカナ発音つき
これは、現在多くの独和辞典で行われています。ただし、『アポロン独和』では、見出し語すべてにつけたところが徹底しています。初心者にはやさしい点ですが、カタカナ読みをしていては、ドイツ語はうまくならないのも事実。微妙なところです。

● 重要度を5段階表示・CEFRレベル併記
重要語を見極めるのに5段階表示をしていて、さらに「ヨーロッパ言語共通参照枠」(CEFR)の A1, A2, B1 の表示がついています。
星印が3つ付くのが630語(独検5級相当)それ以外の450語(独検4級相当)単純合計すると980語
星印が2つ付くのが約1,000語。そうすると星印が3つと星印が2つで1,980語で、ほぼ独検3級相当となります。
星印が1つ付くのが約1,000語で、この1,000語を加えるとおよそ独検2級レベル(ここで合計およそ3,000語)
赤色中活字で星印がついていないもの3,000語あるそうで、これを加えたおよそ6000語が独検準1級相当よりも1000語多い、という構成のようです(同辞書の「この辞典の主な約束ごと、1 見出し語」参照)。

この他にも、「新旧正書法に完全対応」(2016年の改定も含む)とか、「すぐ読める100例文」が Prosodic Writing で示されていて、ネットで発音が聞ける(アポロン独和辞典 第4版(音声ストリーミングサイト) | 同学社 )、とか、たくさんの面白い工夫が詰まっています。

詳細は、アポロン独和辞典 | 同学社 で確かめてください。電子辞書もいいですが、紙の辞書には使っていると思わぬ発見があり、自分の辞書になっていくところがいいですね。

j.o.

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