4月27日(月)からマスク着用義務がドイツ全土に、ただし州によってその規則は異なる。
Ab 27. April gilt Maskenpflicht deutschlandweit, allerdings sind die Regeln je nach Bundesland unterschiedlich.
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ジョンズ・ホプキンズ大学コロナウイルス情報供給センター( COVID-19 Map – Johns Hopkins Coronavirus Resource Center) によれば、4月28日朝(日本時間)の時点で、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染者数が全世界で300万人を超え、死者数は21万人を超えています。全世界的には、依然として感染者数は増加していますが、ヨーロッパでは感染拡大のスピードがやや鈍化してきています。この時点で(4月27日)ドイツでは、マスク着用義務が国全体に広まりました。なぜでしょうか? そもそもヨーロッパでは、そもそも一般の人たちが風邪をひいてマスクをして歩く光景は、これまでほとんど見られませんでした。
4月25日付の ZEIT ONLINE の「マスク着用義務:来週から適用される。マスクをつけろ!」(Maskenpflicht: Ab nächster Woche gilt: Maske auf! | ZEIT ONLINE によると、ことの発端は、4月13日にドイツ国立科学アカデミー・レオポルディーナ(Deutsche Akademie der Naturforscher Leopoldina) が公表した文書 (Leopoldina-Stellungnahmen zur Coronavirus-Pandemie (2020) | Leopoldina にある文書)だそうです。この文書の4頁には、「マスクは、とりわけ飛沫感染を減らすことによって、ウイルスの感染を減らす」(Mund-Nasen-Schutz reduziert die Übertragung von Viren, v.a. durch eine Reduktion der Tröpfcheninfektion.)と述べています。
「マスクはウイルスを防げるか」というテーマは日本でも話題になりましたが、ここで注目しなければならないのは、<自分が感染しないためにマスクをする>と言うよりは、マスクは(感染している人が出す)飛沫(Tröpfchen あるいは Sekrettröpfchen)の量を減らすのです。つまり、マスクをすることで<他の人が感染する可能性を減らせる>(他の人のためになる)という側面が大きいのです。
さて、今回のニュース、注目すべきもう1つの点は、「近郊公共交通機関に乗る時にはマスクをしなければならない」という義務が、ドイツ全土で受け入れられている点です(あれ、日本の満員電車は?)。お店の中でのマスク着用義務は、ベルリンを除き、すべての州で採用されました。もっとも、ベルリンでも、お店の中ではマスクをした方がよい、と呼びかけれらていますが。月曜日からは、多くのお店の入り口で、お客さんがマスクをして入店してくるかどうかをチェックしています(あれ、日本のスーパーマーケットでは?)。ザールラント州(Saarland)では、マスク装着義務を求めると同時に、州があらゆる市民に5つのマスクを配布したそうです(おや、日本は一家族に2枚だったっけ?)。(「誰もが5つのマスクを貰える:ザールラントは、あらゆる市民にマスクを配布する」 Jeder erhält fünf Stück: Saarland verteilt Masken an alle Bürger – n-tv.de)
州ごとに違っているのは、例えば、罰金の額です。バイエルン州では150ユーロ、ベルリンやハンブルクでは罰金なし、メクレンブルク・フォアポンメルンでは、25ユーロです。その他に、タクシーの運転手とか、子供にたいする義務も州ごとにことなっています。
マスクに関するドイツ語について一言。マスクという日本語に対応する表現は、ここでは、Mund-Nasen-Schutz と呼ばれています。ドイツ語で Maske と言ってしまうと、「仮面」とか「覆面」という意味が最初に頭に浮かんでしまいます。現在、日本でもマスク不足が話題になっていますが、この「マスク」という言葉は、Mundschutz と呼ばれたり、Schutzmaske と呼ばれたりもします。 もっとも、これだけマスクが日常的に使われるようになると、Maske だけで日本語の「マスク」と同じように使う機会も増えているようです。Maskenpflicht (マスク着用義務)というのも新語ですね。
(jo)