アンネッテ・ヴァインケ著、板橋拓己訳『ニュルンベルク裁判』が話題に
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4月に中公新書から出た、アンネッテ・ヴァインケ著、板橋拓己訳『ニュルンベルク裁判:ナチ・ドイツはどのように裁かれたのか』|新書|中央公論新社が今でもあちこちで話題になっています。6月21日の読売新聞でも紹介されていました
(参照 6月21日(日曜)朝刊で紹介する予定の本|読売新聞)。
実は、2015年4月に出たこの翻訳は、2015年2月に出た第2版の原稿を修正点を反映しているものだとか(P. 2)。原著は、
Die Nürnberger Prozesse | Weinke, Annette | Verlag C. H. BECK(ISBN 978-3-406-53604-5) をご参照下さい。
少しだけ「訳者まえがき」を参考に紹介しておくと、本書は、1945年11月から1946年10月にかけて行われた「ニュルンベルク裁判」だけを扱った本ではありません。
ドイツ語のタイトルが複数形になっているところからも示唆されているように、その後行われた12の「ニュルンベルク継続裁判」も対象にして書かれています。
そして、これらの裁判が「1949年に成立したドイツ連邦共和国(西ドイツ)とドイツ民主共和国(東ドイツ)にどのような影響を与えたか」、
「ニュルンベルク裁判が打ち立てた諸原則が、第二次世界大戦後の世界にどのように継承されてきたか」も考察されています。
第二次世界大戦後70年という節目の年に、戦争という人類の最大の過ちがどのように裁かれるべきかを考える上で、貴重な入門書です。