清野 智昭 (せいの ともあき) 教授
専門分野
ドイツ語学、コーパス言語学、応用言語学
現在取り組んでいる研究テーマ
有生性が構文に与える影響、心理動詞構文、効果的な外国語学習法
主要著書・論文
- The “passive voice” in Japanese and German: argument reduction and argument extension (共著, Linguistics. 44 (2),2006)
- 「ドイツ語における「人」と「もの」の表示について ―有情性はドイツ語でも関与的か?―」 『ドイツ語を考える ― ことばについての小論集―』三瓶裕文・成田節 編,三修社, 2008, pp. 30-39。
- 「コーパスを用いた心理動詞分析」『コーパスをめぐって 心理・知覚表現の分析』日本独文学会研究叢書067. 田中愼編,2009, pp.4-18。
- 「ドイツ語心理動詞の用法分析 ― interessieren を例に ― 」『千葉大学人文社会科学研究』19,2009, pp.18-34。
『ドイツ語における有生性 ―Belebtheit im Deutschen』(編著), 日本独文学会研究叢書(2016年)
参考書・教科書など
- 『中級ドイツ語のしくみ』(白水社 2008年)
- 『しくみが身につく中級ドイツ語作文』 (白水社2010年)
- 『ドイツ語のしくみ≪新版≫』(白水社2014年)
- 『中級をめざす人のドイツ語講座』(NHK出版 2014年)
所属学会
日本独文学会(2017年6月~2019年6月まで会長),日本ドイツ語情報処理学会,ドイツ文法理論研究会
近年の主要講義・演習
- 「言語・情報コースゼミナール」— ドイツ語コーパス言語学入門・応用
- 「ドイツ語学特殊研究」(大学院)—ヴァレンツ理論の歴史と現在
- 「現代地域事情コースゼミナール」— ライプツィヒからドイツ語を見る・ドイツワイン学
文学部で/私のゼミで学ぶ人たちへ
私の専門はドイツ語学ですが、ゼミは「言語・情報ゼミナール」だけでなく、「現代地域事情ゼミナール」も担当しています。
「言語・情報ゼミナール」では、自然なドイツ語・よく使われるドイツ語とはいったいどういうものかを探るために、コーパス言語学の手法を用います。コーパスとは、実際に使用された言語データを研究目的で集積したもので、通常、電子的に使用できるようにしたものを指します。ドイツ語でもドイツ語研究所(IDS)を中心として大規模なコーパスがいくつか提供されています。この授業では、コーパスを扱うために必要な知識を基礎から学び、各自の興味にもとづいて、ドイツ語の現象を解明する客観的な方法を学びます。Excelなどのソフトの使い方にも自然に詳しくなります。もちろん、パソコンが論文を書いてくれるわけではないので、ドイツ語という言語の持つ「しくみ」を解明してやろうという意識が大切です。
「現代地域事情ゼミナール」では、第1学期は旧東ドイツ地域のザクセン州にあるライプツィヒという都市に焦点を当て、そこから、ドイツという国を見ていきます。ライプツィヒは、旧東ドイツのザクセン州の都市です。古くは見本市(メッセ)で栄えた商業の都、バッハやメンデルスゾーンが活躍した音楽の都、ゲーテ、ニーチェ、そしてメルケル首相も大学に通った学術の都ですが、現代史で特筆すべきは、ベルリンの壁崩壊、東西ドイツ統一のきっかけとなった住民運動の中心地であったことです。つまり、ライプツィヒにはドイツの歴史と文化が詰まっているといっても過言ではありません。この授業では、中世から現代までライプツィヒで起こった出来事を見ていくことにより、ドイツという国の理解を深めます。
第2学期は、日本ではまだまだ知名度の低いドイツワインについて、総体的に理解するために、その様々な側面に光を当てて学んでいきます。品種や味など「味わう」面の比率はそれほど大きくなく、ワインを例として、現代の農業、流通、消費などの問題を中心に考えていきます。
語学でも現代事情でも、とにかく、深く知りたい、実際に自分で調べて、独自の研究をしたいという学生が来てくれることを期待しています。