岡本 順治 (おかもと じゅんじ) 教授
専門分野
ドイツ語学,認知意味論,言語理論
現在取り組んでいる研究テーマ
ドイツ語の心態詞と日本語の終助詞の認知的意味、場所の意味論
主要著書・論文
- 「無意識の言語知識の存在に基づく言語学は不要か?生成AI の挙動からの推測」『エネルゲイア』 第49号, 2024, 27 – 36.
- (書評)Duden Die Grammatik 10. Auflage (2022) 『学習院大学ドイツ文学会 研究論集』第28号, 2024, 29 – 40.
- 「三層モデルで心態詞の使用を説明する ─ 相互行為層の導入 ─」 廣瀬幸生・島田雅晴・和田尚明・長野明子(編)『比較・対照言語研究の新たな展開 ― 三層モデルによる広がりと深まり ―』(開拓社) 2022, 165 – 189.
- (研究ノート) 「四則演算の自然言語表記:ドイツ語と日本語の場合」 『学習院大学ドイツ文学会 研究論集』 第26号, 2022, 117 – 132.
- Perception description, perception report and thetic statements: Roles of sentence-final particles in Japanese and modal particles in German. Abraham, Werner/Elisabeth Leiss/Yasuhiro Fujinawa (eds.) Thetics and Categoricals. [Linguistik Aktuell/Linguistics Today 262] Amsterdam: John Benjamins. doi.org/10.1075/la.262.13oka 2020, 351 – 385.
- Warum sind japanische Satzendpartikeln mit thetischen Aussagen verträglich? Hiroyuki Miyashita/Yasuhiro Fujinawa/Shin Tanaka (eds.) Form, Struktur und Bedeutung: Festschrift für Akio Ogawa. Tübingen: Stauffenburg. 2020, 317 – 339.
- 「提示文における述語と主語名詞句の制限:「が」を用いた文とドイツ語の提示文の比較」田中雅敏・筒井友弥・橋本将(編)『学際的科学としての言語研究:吉田光演教授退職記念論集』(ひつじ書房) 2020, 135 – 157.
- Sind thetische Aussagen inkompatibel mit deutschen Modal- und japanischen Satzendpartikeln? In: Werner Abraham/Elisabeth Leiss/Shin Tanaka (eds.) Zur Architektur von Thetik und Kategorik: Deutsch, Japanisch, Chinesisch und Norwegisch. Tübingen: Stauffenburg. (2020), 267 – 319.
- Die Modalpartikel aber und ihre Funktion unter Berücksichtigung von Satztypen und Intonation. In: Tanaka, Shin/Elisabeth Leiss/Werner Abraham/Yasuhiro Fujinawa (eds.) Grammatische Funktionen aus Sicht der japanischen und deutschen Germanistik. Linguistische Bericht Sonderheft 24, (2017), 251 – 270.
- Ort und Richtung im Deutschen und im Japanischen — Ein Schritt hin auf lokalistisch semantische Kompositionen. In: Ogawa, Akio (ed.) Raumerfassung — Deutsch im Kontrast. Tübingen: Stauffenburg, (2017), 63 – 76.
- 『ドイツ語の文法論(講座ドイツ言語学 第1巻)』(吉田光演と共編著)、ひつじ書房 (2013)
- Synchronisierung mit Modalpartikeln. In: Okamoto, J./A. Werner (eds.) Aussprache und Bedeutung der Modalpartikeln: Zur Entwicklung neuer Untersuchungsmethoden. (Studienreihe der Japanischen Gesellschaft für Germanistik 075), (2011), 60-79.
- (牛山さおり、岡本順治共著) 幼児の発話データにおけるdochの誤用 In: 学習院大学ドイツ文学会研究論集 14, (2010), 21-50.
- 心態詞の意味とは何か:「心の理論」との関係を問う In: 学習院大学ドイツ文学会研究論集 14, (2010), 51-77.
- 「構文文法」は話しことば研究の文法記述に貢献しうるか? In: 高田博行編 『話しことば研究をめぐる4つの問い』日本独文学会叢書(2009), 23-44.
- 認知言語学 『月刊言語』5月号 Vol.38, No.5.,(2009),44-47.
- オートポイエーシスを取り込んだ理論の構築へ向けて. 日本認知言語学会論文集第7巻 (2007), 44-54.
- ‘Unaccusative VP-Topicalization’ in German: A View from Usage-based Construction. In: Integrative Studies on Essential Properties of Human Language by Theoretical Linguistics, Functional Linguistics, and Cognitive Neuroscience. TMU (2007), 27-39.
- schwimmen における完了助動詞選択の変化: インターネット上の例文分析. In: 『学習院大学文学部研究年報』 53 輯, (2007), 95-131.
- Auf der Suche nach VP-Topikalisierungen zweiten Typs im Deutschen: Zwischenbericht. In: Integrative Studies on Essential Properties of Human Language by Theoretical Linguistics, Functional Linguistics, and Cognitive Neuroscience. TMU (2005), 37-52.
- Bemerkungen zur komplexen Verbvoranstellung im Deutschen: Eine andere Aussicht. In: Integrative Studies on Essential Properties of Human Language by Theoretical Linguistics, Functional Linguistics, and Cognitive Neuroscience., TMU (2004), 57-71.
- 「ドイツ語における不変化詞動詞の生産性と慣用性: レキシコンの並列競合モデルへ向けて」 『次世代の言語研究 III』 (2004).
- 統語的パラメタの限界と還元主義的認知観の問題点:コメントと考察. 日本独文学会叢書 019 吉田光演・岡本順治 編 『ドイツ語のパラメタを求めて:多様性を生み出す原理』(2003), 65-78.
- いわゆる『分離動詞』とは何か?:近年の不変化詞動詞研究の動向. In: 日本独文学会叢書 023 岡本順治・成田節 編 『いわゆる「分離動詞」をめぐって』(2003), 2-11.
- ドイツ語の除去動詞: その不変化詞動詞化における項構造の変化を検証する. In: 日本独文学会叢書 023 岡本順治・成田節 編 『いわゆる「分離動詞」をめぐって』(2003), 12-24.
- Particle-Bound Directions in German Particle Verb Constructions. In: 『東西言語文化の類型論特別プロジェクト研究』 研究成果報告書 V. (2002),415-431.
- ヴォイスと事象のパズル:言語学者の好きな問題? 『事象と言語形式』三修社(2002).
- 野村泰幸・吉田 光演・保阪靖人・小川暁夫と共著 『現代ドイツ言語学入門』大修館書店 (2001).
- 「認知言語学の潮流:背景と展開」In: ドイツ文学104号 (2000), 1-17.
参考書・教科書・翻訳など
- (岡本時子との共訳)イアン・ボストリッジ著『シューベルトの「冬の旅」』アルテスパブリッシング (2017)
- (翻訳)「ウムラウトと母音混和について」ヤーコプ・グリム/ヴィルヘルム・グリム著、千石喬/高田博行(編)『グリム兄弟言語論集:言葉の泉』ひつじ書房,209-218. (2017)
- 『独検対策2級問題集[改訂版]』(岡本時子と共著)白水社 (2017)
- 『独検対策準1級・1級問題集』(岡本時子と共著)白水社 (2016)
- 『解説がくわしいドイツ語入門』白水社 (2014)
- 『独検対策 2級新問題集』(岡本時子と共著)白水社 (2011)
- 『独検対策 準1級問題集』(岡本時子と共著)白水社 (2008)
- 『ドイツ語文法へのプロローグ』郁文堂 (2004)
所属学会
日本独文学会,日本言語学会,日本認知科学会,日本認知言語学会, 自然言語処理学会,ドイツ文法理論研究会,日本ドイツ語情報処理学会, Societas Linguistica Europaea など
その他
近年の主要講義・演習
- 「言語・情報コースゼミナール」(1) — 会話文における論理的展開
- 「言語・情報コースゼミナール」(2) — 話し手の心的態度
- 「ドイツ語学特殊研究」(大学院)— 言語による数の表現
- 「現代地域事情入門ゼミナール」— ドイツ語圏の社会と文化
- 「アカデミック・スキルズ入門」
文学部で/私のゼミで学ぶ人たちへ
無意識に使っている「言葉」を時々、意識してみましょう。手始めに日本語から。 「なんでこんな言い方をするのだろう」という疑問がわいたら、 言語研究の面白さに足を一歩踏み入れたことになります。「なぜだろう?」 と問うことは、あらゆる学問の出発点です。「分かったぞ!」と思うことで、 喜びを味わうこともできますが、ひとつ分かると、普通、 また別の問題が出てきます。その中で、「面白いな」 と思うものを発見できることこそ重要だと思います。 「言葉」の中に、面白さを見つけて下さい。言語の研究には、 まだ謎がたくさんあります。